このページの先頭です
第三吾嬬小学校
サイトメニューここからサイトメニューをとばして本文へ
  • multilingual
  • サイトマップ
  • 交通アクセス

サイトメニューここまで

現在のページ 第三吾嬬小学校 の中の 学校の紹介 の中の 過年度の記事 の中の 第三吾嬬小学校の研究 令和2年度 のページです。

本文ここから

第三吾嬬小学校の研究 令和2年度

更新日:2023年3月29日

令和2年度 墨田区教育委員会 特色ある学校づくり推進校

研究主題 「授業における学習過程の研究 〜シンキング・サイクルの活用による「見方・考え方」の習得」

 コロナ禍の中スタートした令和2年度は、平成30年・令和元年度の2年間で行った学校ICT化推進事業タブレット端末活用モデル校の研究成果を生かし、主体的に課題解決をはかる児童の育成のため、授業における学習過程の研究に取り組むことにしました。東京学芸大学准教授高橋純先生のご指導を受け、「シンキング・サイクル」を授業にふんだんに取り入れ、学習の仕方を体得させ、各教科等の「見方・考え方」を身につけさせることを目指します。

令和2年度墨田区教育委員会 特色ある学校づくり推進校 実践発表会

研究授業・研究協議会

令和2年12月11日(金曜日) 高学年部 5年・理科 (5の1 M.R.教諭)


M.R.教諭

5年生は、理科「もののとけ方」の単元でシンキング・サイクルに則った学習を行いました。
高学年分科会では、シンキング・サイクルを理科の問題解決の過程と同様に位置付けて考えました。
「課題の設定」⇔問題設定(自然の事物・事象に対して興味をもち、解決したい問題を設定する。)
「情報の収集」⇔予想、方法、観察・実験(今までの経験や実験・観察を通して、問題を解決するための方法を考え、実証する。)
「整理・分析」⇔結果・考察(観察や実験を行った結果を、表やグラフなどにまとめたり、その結果から考えられることなどを自分の言葉でまとめたりする。)
「まとめ・表現」⇔結論(設定した問題に対して解決をし、新たな疑問に向かう。)
以上のようにシンキング・サイクルを活用した学習を展開することで、児童の思考力・判断力・表現力等が高まり、同時に理科の「見方・考え方」も培われていくと考えます。
授業では、まず教師が児童と一緒に本時の学習問題を確認しました。本時の学習問題は、「ミョウバンが水に溶ける量は、温度が上がるとどうなるのだろうか。」でした。前時までに児童は、食塩を使った実験を経験しており、食塩が水に溶ける量や温度との関係等、そのときの経験を生かして本時の実験ができることを確認しました。既習事項を整理して、本時の学習に使えるかどうか分析します。シンキング・サイクルの「情報の収集」と「整理・分析」を繰り返し行っています。


実験(情報の収集)

学習問題を解決するために、安全に留意したうえで実験を始めます。安全面の観点から、お湯の最高温度を60℃と設定します。児童はお湯の温度を30℃、40℃と上げていき、ミョウバンが溶ける様子を調べます。実験の結果を、拡大したグラフに記すことで、各班の温度変化による溶け方の傾向を可視化し、全体で共有することができます。シンキング・サイクルの「整理・分析」です。児童は、「どの班も実験の結果が似ているよ」や「食塩のときよりも、たくさん溶けているね」など、グラフを見て様々な意見を出し合いました。そして、考察をクラスで考え、結論をまとめました。
高学年分科会では、本時だけではなく、「もののとけ方」の単元全体を通して、シンキング・サイクルが繰り返されるような学習過程を計画・実行しました。教師は、理科の「条件を制御する」考え方や、前時までの実験や結果・考察を生かしながら、食塩水とミョウバンの水溶液を比べられるような手だてを講じました。その結果、児童の思考力・判断力・表現力等が高まり、理科の「見方・考え方」が身に付いていくと考えました。


東京学芸大学・高橋純先生

 協議会では、今年で3年目となる講師の東京学芸大学教育学部准教授・高橋純先生のご指導をいただきました。
 コロナ禍で、急速に進んだGIGAスクール構想、そしてオンラインの通信や授業動画配信などをみると、教員も含めた世の中全体が、「動画配信もいいところがある」という見方に変わってきています。すると、優れた指導力や方法をもったベテランの先生の授業を撮影した動画を見る方が、「知識・技能」の習得でも軽いものなら十分という論も出てきます。そうなると、「もう学校はいらないのではないか?」という極論も出てきます。
 しかし、学校でしかできない学びがあります。「知識・技能」の質を高め、「思考力・判断力・表現力」等の資質・能力を育成するのは、学校の、教師の役割です。
 最終的には、子供たちが自分自身で学びを進められるようにさせなければならない。つまり、子供が学習をするとき「次に、何をすればいいのか?」が分かっている必要があります。それが、シンキング・サイクルの学習過程で身につけられるのです。シンキング・サイクルは1時間の授業で1周するだけでなく、単元を通して何度も繰り返し回転させるイメージです。
 指導要領が「コンテンツ・ベース」から「コンピテンシー・ベース」に変わった、と言われています。これは教育界だけの話しではなく、ビジネスの世界でも同様の資質・能力が求められるようになっています。学校では、先生がワークシートの表を渡して、その中身(コンテンツ)を考えさせることが行われてきましたが、それではいつまでたっても、表を与えられなければ思考・判断ができないままです。子供たちが、課題を発見したとき、「これは表を使って考えるといいな」と、勝手に表を使ってまとめ始める(コンピンシー)ような子を育てていかなければなりません。
 各教科の「見方・考え方」を実際に使いながら、シンキング・サイクルを活用して何度も繰り返しやらせて、学習の仕方に慣れさせ、次第に教員が何も言わなくとも自分たちで学習を進められるようになる。つまり、簡単に言うと、「学び方」を教える、ということが大切だと言うことです。


挨拶だって、何度も繰り返し指導しないと定着しません!


密をさけるため、体育館で実施した協議会

令和2年11月27日(金曜日) 中学年部 3年・社会 (3の2 A.S.教諭)


A.S.先生

3年生は、社会「かわる道具とくらし」でシンキング・サイクルに則った学習を行いました。
中学年分科会では、シンキング・サイクルにおける「課題の設定」を、児童が興味・関心のもてるものにするように工夫しました。その手だてとして、単元計画に合わせた課題を教師が設定することを基本としながらも、前の学習で出た児童の意見や学習感想を課題に設定することもあります。
「情報の収集」は、インターネットや本で昔の道具の特性について調べる学習活動を示します。また今回のように、昔の道具を扱う単元の特性を生かして、家庭学習で保護者や地域の方々からも聞いて情報を集めることができます。
「整理・分析」について、本単元では、集めた情報を整理したり分析したりすることは難しいと考えました。そこで、整理する観点を意図的に絞ったり、教師が適切に助言をしたりする等の手だてを講じました。
「まとめ・表現」では、児童の振り返りや感想等を共有するだけでなく、次の課題を児童と見いだせるように指導計画を立てました。
以上のようにシンキング・サイクルを活用した学習を展開することで、児童は社会科の「見方・考え方」を習得します。

授業ではまず、教師が本時のめあてを確認しました。シンキング・サイクルの「課題の設定」です。児童が見通しをもつことで、話し合いの観点が明確になります。
すぐにグループ活動に入ります。それぞれが事前に考えた昔から今へと変わった道具のよさについて話し合います。シンキング・サイクルの「情報の収集」にあたります。児童からは、「テレビが薄くなったね」や「音楽プレーヤーがコンパクトになったよ」、「リモコンのボタンが大きくなっているよ」など、様々な意見が出ていました。
 そして、道具のよさが私たちの生活をどのように豊かにしたのか、どんな点が便利になったのかについて、という共通の観点を基に話し合いを深めます。シンキング・サイクルの「整理・分析」です。この学習の場面を3年生の児童だけで進めるには難しいので、教師が各グループを回り、助言をします。「テレビが薄いと、人々のくらしにどんな変化が表れるかな。」すると児童は、「部屋が広く使えるんじゃないかな?」のように、気付いたことをつぶやきます。
シンキング・サイクルの「まとめ・表現」では、グループで話し合ったことを学級全体で共有します。友達の考えを聞いて、人々のくらしと道具に関する新しい見方や考え方が、発表を聞いている児童の思考に情報として入っていきます。教師は、児童の発言を丁寧に板書し、児童の思考の整理を助けるように支援します。
私たちの研究では、このようにシンキング・サイクルに沿った学習を各学年・各教科で繰り返し行うことで、各教科の「見方・考え方」、いわゆる「生涯にわたって生きる学び方」を習得できると考えています。


協議会は体育館で

 授業も講師と担当の仕事のある教員以外は別の教室でリモート参加しました。授業後の協議会は3密を避けるため、体育館で実施しました。
 今回の講師は、一般社団法人教育デザインラボ代表理事、都留文科大学国際教育学科特任教授の石田勝紀先生にお願いしました。私たちが研究している「シンキング・サイクル」や「各教科の見方・考え方」の習得について、違う切り口で迫る教育実践をされていらっしゃる先生です。
 研究協議では、分科会からの提案と授業者の自評を聞き、社会科の授業におけるシンキング・サイクルの活用について協議を行いました。その後、講師の石田勝紀先生からご講演をいただきました。
【講演の内容】
・同じことをやっていてなぜ「差」がつくのか?
・頭脳のOSとは?
・「考える力」の正体と、OSのスペックの高め方
・「疑問を持つ力」を伸ばす3つのマジックワード
・「まとめる力」を伸ばす2つのマジックワード
・「考える力」をさらに発展させる5つのマジックワード


わかりやすい「マジックワード」


石田勝紀先生

令和2年10月21日(水曜日) 低学年部 2年算数 (2年2組Y.H.教諭)


2年2組担任Y.H.先生

 2年生は、算数「かけ算」の学習でシンキング・サイクルを活用した授業に挑戦しました。
 低学年部会では、シンキング・サイクルは(1)「課題解決的な学習を進める一単位時間の中」と、(2)「単元を通した学習過程の中」で、また、どの教科の学習の中でも現れるものと捉えました。そこで、算数科の1単位時間の学習の中で、それぞれの段階がどの学習場面に当てはまるのかを考えました。
 「課題の設定」は、「本時のめあて」と同義で、本時のめあてを知ることで、児童は本時の学習の見通しをもって学習に取り組むことができます。算数科における自力解決は、既習事項の活用や友達と意見交流をした際の友達の考えが、「情報」として児童の思考に関係してきます。友達の意見や考えを知ることで、自分の考えとの比較をし、学習課題に対する考えの「整理・分析」も同時に行っています。全体で共有する際も、「情報の収集」、「整理・分析」は行われており、学習課題を解決する過程の中には、情報を収集し、整理・分析する流れが混在したり、繰り返されたりしていると考えられます。シンキング・サイクルには、段階として最後に「表現」が示されていますが、算数科の学習においては全体共有の場にも「表現」は関係していると考えられます。自力解決と全体共有の流れの中に、「情報を収集」し、「整理・分析」することで、本時のめあてに正対する「まとめ」をすることができます。
 以上のことを授業の中で適切に設定し、シンキング・サイクルによる「学び方」を児童に身に付けさせるように手だてを考えました。


まずは「自力解決」


自分の考えを表現して伝え合う

先生が、3つ入り1パックのヨーグルトが乱雑に置かれた写真を提示して、子供たちに「何個あるの?」と投げ掛けます。すると子供たちは、「3つパックだ。」「3つずつだ。」「食べたことある。」「隠れているところがみえないよ。」などと自由につぶやきます。ヨーグルトのように日常生活にある問題を、数学的な見方・考え方を使って解決していきます。
 先生は、子供たちが「1つ分の大きさ」や「いくつ分」を視覚的に捉えられるように問題文に色分けして線を引かせたり、前の時間で学習した2の段や5の段のときはどのような考え方をしたか思い出させたりして、子供たちの思考を働かせます。
 自力解決の時間を12分たっぷりとって、子供たちは自分の考えをノートにまとめます。ヨーグルトの問題を解くために、子供たちはこれまでに学習したことをフル活用して考えます。子供他との頭の中でシンキング・サイクルの「情報の収集」と「整理・分析」が繰り返される場面です。
先生は代表の子供のノートをスクリーンに映して、その子がどんな考え方をしたのか、別の子供に説明をさせます。そして聞いている子供たちは、説明を聞いて分かったことを隣の席の友達と確かめ合います。ペアやクラス全体で考えを共有することで、考えを深め、シンキング・サイクルの「情報の収集」と「整理・分析」をさらに活用する子供も出てきます。シンキング・サイクルを取り入れた授業を実践することで、子供たちは各教科の学び方を身に付けていきます。
学習のまとめをしたあとに、先生が「教室の中に3の段で考えられそうなものある?」と問い掛けます。子供たちは一斉に教室を見渡し、「水筒だ!」「粘土だ!」と声を上げます。教室の棚には、水筒や粘土のケースが3つずつまとめて並べてあったのです。授業の冒頭と同様に、子供たちは日常生活にある問題をかけ算の式を使って解いていきます。 (授業の様子を写真でご覧ください。)


すみだ教育研究所 H.N.先生

 研究協議会では、講師のすみだ教育研究所・H.N.先生に「自分で考える習慣をもつ」ことについてご指導いただきました。以下に、H先生からご指導いただいたエッセンスをご紹介します。

 本校の研究の目指す児童像「生涯にわたって主体的に学ぼうとする児童」を育成するためには、考える方法を身につけさせなければなりません。数学(算数)で言えば、「数学的な見方・考え方」というのは、登山にたとえれば、登山するのに必要な技術や装備のことで、それは「論理的思考」(根拠をもとに筋道立てて考えること)には必要不可欠なものです。
 算数の学習におけるシンキング・サイクルを考えてみれば、まず
「情報の収集」には、子供が問題をよく理解することが必要です。その意味で、教師の「問い」というのは、児童が自らに問いかけるようなものであることが望ましいといえます。その上で、子供の「問い」や「困りごと」が、本時の「めあて」になるのがいいわけです。
 子供が問題を理解するためには「与えられているものは何だろう?」「わからないものは何だろう?」などの「問い」(算数における見方・考え方)をもっていないとなりません。
「整理・分析」をするためには、まず自力解決の時間をたっぷりととってあげることが必要です。それも、「解き方は一つではない」ということを常日頃から定着させ、いろんな考え方で解決を図ることに取り組む姿勢を身につけさせたいところです。そして、解決のために最も重要なのは「見通し」で、これはこれまでに学習してきたことの、何に「似ているか?」、「どの解き方を使えばいいか?」という、既習事項を「比較検討」することから生まれるものです。
「まとめ・表現」は、整理・分析してたてた見通しにもとづいて、実際に問題の解決に取り組むことです。答えがあっているというだけでなく、解き方の良さを認め合えるクラスにしたいです。そして、話すこと(発表、表現)は、学習を整理することでもあります。
 子供は検討し、比較しながら、解決へとむかいますが、そこには多くの無駄があるでしょう。しかし、その無駄にみえる思考過程が大変重要で、いろんな角度から考えてみるくせをつけさせることが大切です。

令和2年度 研究だより

平成30年・31年度墨田区学校ICT化推進事業 タブレット端末活用モデル校 

研究主題 「21世紀型の学力を育む学習指導法の研究 〜ICT機器の効果的な活用を通して〜」

 第三吾嬬小学校は、平成30年度墨田区学校ICT化推進事業 タブレット端末活用モデル校の指定を受け、平成30,31年度の2年間標記の研究主題のもと、主に低学年の生活科、3年生以上の理科・社会科の学力向上をめざす研究を開始しました。あわせて、新学習指導要領の柱の一つ「情報活用能力」の育成を図ります。

平成30年度・令和元年度 墨田区挙育委員会研究協力校・墨田区学校ICT化推進事業・タブレット端末活用モデル校

令和2年1月21日(火曜日)  墨田区立第三吾嬬小学校研究発表会

 2年間にわたる研究の成果等を発表するために、各学年の公開授業と研究発表、そして東京学芸大学准教授・高橋純先生の講演会を行いました


5年1組理科「記録」「共有」

【授業公開】
 各学年一クラスずつの授業を公開しました。1年生は算数、2年生は生活、3年生は社会、4年生・5年生は理科、6年生は社会の授業を行いました。各授業で、タブレット端末を効果的に活用した学習を行いました。


1年3組算数「共有」


2年2組生活「発表」


3年3組社会「検索」「共有」


4年2組理科「記録」


6年1組社会「提示」


教育委員会あいさつ(坂根教育委員)

【研究発表会】
 授業終了後、体育館にて発表会を行いました。
 坂根教育委員様のご挨拶から始まり、本校の2年間の研究経過、内容、成果と課題について研究推進委員長・K主任教諭他による発表を行いました。
 続いて、教育委員会事務局指導室長からの指導・講評、専属講師としてお世話になった佐久間茂和先生から2年間を振り返っての指導・講評をいただきました。
 最後に、東京学芸大学准教授・高橋純先生に「21世紀型学力を育む学びとは」という演題でご講演をいただきました。

 当日は、予想していたよりも多くの皆様にご来校いただき、準備しておいた資料が足らなくなるほどでした。230名ほどの参加者があったようです。


研究発表


研究推進委員長


具体的な実例発表(N教諭)


たくさんの参加者がありました


指導講評(横山指導室長)


指導講評(佐久間茂和先生)


学びの「ベクトル」は学習課題にある


講演(高橋純先生)


ICT活用の視点


知識の質が高まるとは?


当日の配布物、掲示物、資料

研究発表当日の指導案、配付資料、掲示物等はこちらの資料箱にあります。ご自由に閲覧、ダウンロードができます。(令和2年2月いっぱい)

https://app.box.com/s/aimg7oyjmiil1eldvu9cxrzxy6dyd9b2

2年目の概要(令和元年度)

冬期特別校内研修会 「具体的知識から概念的知識への昇華」 東京学芸大学准教授・高橋純先生

 研究発表会を直前に控えた1月7日。東京学芸大学准教授・高橋純先生をお招きして、冬期休業中の特別研修会を開催しました。
第三吾嬬小学校が2年間取り組んできたICT活用の研究と、新学習指導要領が目指す資質・能力の育成との関係について、まさに「目から鱗」のようなわかりやすいお話をいただきました。
 教育委員会からは情報教育担当の渡部先生もご参加くださいました。


ICTは何に効果があるか?

【講演の内容】

秀吉が何をしたか?という知識は、事実的知識
秀吉を始め権力者の傾向はどうかと考えられるようになるのが概念的知識
概念的知識があれば、フランスの権力者についても考えることができるようになる
概念的知識はメタ認知(認知の認知)である
概念的知識は問題解決である 問題解決力を鍛えるテーマとして様々な「〇〇教育」をしていると捉える。

ICTは「速く試せるツール」 何度もトライできる 繰り返しが重要なものにコンピュータは便利な道具である 短時間で何回も繰り返すことができる
大きなイノベーションは瞬時に起こらない 小さなイノベーションの繰り返しで大きなイノベーションになる 

「比較」が概念形成には重要 比べる=基準を揃える、同異を見つける…

《全体会》
・2019年末にGIGAスクール構想の発表が文科省からあった。
 国家予算で全ての学校に無線LANの整備とコンピュータを準備する
 そこで、急速に「一人1台」を実践している学校への問い合わせが増えている
・教育の情報化に関する手引 第4章の編集を担当
・情報活用能力の体系表 各教科等の情報に関する部分を集めて作成
 情報活用能力の中に、情報モラルやプログラミング教育がある
・初等教育資料12月号 ICT活用について 「論説」を担当
 
三吾の成果は「児童が活用に慣れていること」
低学年は先生が使い方を制御している、高学年は自分たちで使いこなせている それを見せることができるとよい

PISA2018 CBT(コンピュータを利用しての試験)に変わった 
コンピュータの画面を見ながら答える 文章がラフなものを読ませる
斜め読みでは読み解けなくなっている
慣れているかどうか、大きな差になる 実際に使い慣れているかどうかで、道具が違うとパフォーマンスが変わってしまう

普段の授業でコンピュータを使っているか 日本は最下位
学校外でインターネットを使う 最下位
一人用ゲーム 1位 チャット(ライン)1位

使っているのは使っているが、学習の道具としては使っていないことが明らかとなった


コンピテンシー


ESDの概念図


1年生と6年生、コンテンツは違うが…

例えば「楽譜をタブレットで持ち運ぶ」音大生が増えているという
 → これで演奏力が上がるわけではない
 → 資質・能力の育成に直接寄与するわけではないが、学習や指導を支援する道具としてICTを使っていくと、結果的に資質・能力の向上に寄与する(かもしれない)

教室にプリンタ複合機やスキャナを置くと、とても便利になる
教員の1日の歩数が12000歩が8000歩に減った?!
  → 便利だったらいい、楽だったらいい という発想も重要

新指導要領の解説
「コンテンツ」から「コンピテンシー」へ移行

「コンピテンシー」とは、「単に知識を多く持っているだけではなく、それを確実に行動化している。その行動化においては、今生み出すべき成果を最も効果的に創出できるための工夫があること。」(日経新聞)

コンテンツはどんどん古くなる
コンピテンシーは永遠に学び続け、使い続けなければならない
そのためには、問題解決能力、情報活用能力の育成が大事

現在は、コンピテンシーが大事、と言いながらも、発想が切り替わらずに、ついコンテンツとして考えてしまいがちで、議論が混乱してる状態
これはESDのコンテンツ これらを通して、コンピテンシーを学ばせたい

1年生の朝顔の学習と、6年生の歴史の学習はコンテンツは全く違うが、コンピテンシー的には同じ学習形態である。6年生は先生が示さなくても、自分で表にして考える、などができるようにさせたい。

すぐに身につくこと(コンテンツ)と、時間をかけて身につけていくこと(コンピテンシー)

新学習指導要領では、「比較する」ということが何度も書かれている。それは、「比較するという学習形態は一度では身につかない。何度も繰り返すことでやれるようになっていく(コンピテンシーが身につく)」という意味である。

今回の発表会では、初期段階として「慣れる」こと、をメインに

渡部先生
文科省が方針を変えた。12月に突然、「1to1にさせる。」そのための予算をつける、となっている。都教委からはまだ具体的なほうしんは来ていないが、今この冬休みに変化があった。この研究発表会には期待してくる人が多いだろう。今回はいろいろなバリエーションで提示できるので、楽しみ。

***************************

今回の発表では、コンテンツを結びつけるカリキュラム的なものが入るといい
しかし、一斉にスタートした取組だったところは、これから始める学校にとっては現実的なものとして新しい発表になるだろう。

体系表はできていても、まだ完成されたものではない

夏期特別校内研修会 「資質・能力の育成のためにできること、やるべきこと」 東京学芸大学准教授・高橋純先生


高橋純先生

令和元年8月27日(火曜日)
 夏休みもあと数日を残すばかりとなった27日、昨年度から特別講師としてお世話になっている東京学芸大学准教授・高橋純先生を招いての校内研修会を行いました。
 高橋先生からは、単なるICT活用の話題を超えたところで、本校の研究が目指している「21世紀型学力の向上」について、新学習指導要領にうたわれている「資質・能力」をどのように育成していくことができるかをお話しいただきました。
 高橋先生がお作りになった「資質・能力の育成のイメージ」図*を見ながら、例えば「用語を覚える」などの浅いわかりから「自ら考えて解決する」ことができるような深いわかりへと育成するには、見方・考え方を働かせて思考・判断・表現をさせる活動を繰り返すことが不可欠であることを確認しました。しかし、単独の知識(ノード)を習得させるにしても、ドリルなどの繰り返しが必要で、さらに各知識同士がつながりをもつようにさせるには、アクティブ・ラーニングの視点での学習活動を繰り返し行うことが必要です。


主体的・対話的・深い学び

 高橋先生は、実際にいろいろな教科の例を出して、本校教職員に考えさせ、知識・技能がつながり合い、深くネットワーク化され、最終的には構造化されるということがどういうことかをお示しくださいました。
 さらに、「見方・考え方」を働かせるとは、一つ一つの知識を単独で覚えていくのではなく、他のケースでも応用が可能なとらえ方ができるようになるということで、それによって知識と知識の「つながり」ができ、そのつながりを強化していくことによって、知識の「質」を高めていくことをめざすのです。そのために有効な手立てが、「言語活動」であるということです。
 また、「主体的・対話的で深い学び」は、資質・能力を育成するための「手段」であり、それ自体が「目的」ではないということをはっきりとさせておくことが大切です。思考・判断・表現する学習活動を繰り返すことで、知識の質を高め、最終的には「構造化された質の高い知識」の獲得を目指すわけですが、これは学校教育段階で達成できるものではありません、生涯をかけて、学びを深め、その能力(コンピテンシー)を高めていくことが求められているわけです。
 この、繰り返しに有効なのが、「学習過程」という考え方で、探求的な学習過程、つまり「課題の設定」→「情報の収集」→「整理・分析」→「まとめ・表現」というパターンとしての学習過程を積み上げていくことが、主体的な学びを支えます。
 ICT機器は、これらの学習活動を行う際の、便利なツールとして活用していくことが考えられます。そのためには、一人1台の配布は大前提だろうと思われます。

 

令和元年度 第6回研究授業 1年 算数


1年 さんすう

令和元年7月10日(水曜日)
今年度前期の最後の研究授業は1年生の算数でした。入学してまだ数ヶ月の1年生もiPadを使って学習をしています。今回は算数・単元「のこりはいくつ ちがいはいくつ」にチャレンジしました。減法が用いられる場合や減法の意味について学習し、それを式で表したり読んだりできるようにさせることを目指しました。そこで、一つの場面だけでなく複数の場面から話作りができるような場面絵を提示し、それを手元のiPadで見て作画機能を使って分類し話をわかりやすく伝えるようにしました。
 協議会では、タブレットの使い方が算数の学習として有効であったかなどの話題で協議が進められました。児童の学習を評価するのに、書いたものだけでなく、iPadに録音(録画)したものが使えないかなどのアイディアも出されました。最後に佐久間先生からは、ICT活用の課題と、研究発表会に向けての準備の事についても助言をいただきました。


これじゃないかな?


これとこれで…


机間指導しながら評価も


みんなで確認

令和元年度 第5回研究授業 3年 社会


3年 社会・総合

令和元年7月5日(金曜日)
 第5回目は3年生・社会科の授業を行いました。前週に引き続き、3年生では社会科として町を題材に学習を行い、探求・発表のために総合的な学習の時間との合科として設定しました。本授業は全体の最終段階の「発表会をしよう」として設定し、実際にこれまで学習してきた内容をロイロノート・スクールなどを利用してプレゼンテーションする取組でした。目標は「自分たちの住む町について調べた事を発表し合うことで、地域によって違いがあることに気付く」で、ICT機器を活用してよりよい発表をすることができるかを観点として研究しました。3年生の児童は、どのグループも大変素晴らしい発表を行っていました。
 講師の佐久間先生からは、前回の2年生の「町探検」と今回の3年生の町調べの学習の違いについてや、アナログとICTの共用のよさについてお話しいただきました。さらに、まとめ方のヒントとして、様々なまとめ方の方法についてご紹介いただき、「突き抜けるベクトル」の例をお話しいただきました。また、今回社会科の講師としてお招きした前校長の金谷先生からは、今回の授業が社会科の授業としていかに優れたものであったかと言うことを丁寧にご説明いただきました。社会科として付けさせなければならない力とはどんなものなのか、それをどのように指導していくのかお話いただきました。最後に、庶務課の宮崎主査からも今回の授業の組み立てとして、タキソノミーテーブルを使用した考え方を紹介していただきました。


三つのグループに分かれて発表


ICTもアナログも大事に使って


社会科の指導として押さえたいところは確認


それぞれが調べた地図をあわせて全体像をつかむ

令和元年度 第4回研究授業 2年 生活


2年 生活

令和元年6月26日(水曜日)
 4回目は2年生の生活科の授業でした。単元「町のすてき大発見」、目標を「町探検を通して、自分たちの町に対して親しみや愛着をもち、町の特徴やよさ、季節による自然の変化、そこに暮らしたり働いたりする人々の様子など気付いたことをまとめ、伝えることができる」こととしました。2年生は研究主題に対して、「自分の思いや願いの実現に向けて進んで学び、多様な方法で表現し伝え合える児童」と設定しました。自分たちが実際に見聞きしてきたことをタブレット端末を使って、伝える事に挑戦させました。
 今回は2学年の発達段階と、協力いただいた施設等の個人情報や内部の様子ということを考慮して、2年生に写真を撮らせるのではなく、教員が許可を得て撮影してきた写真を使用することにしました。児童は、写真を選択し、写真に文字を加えたり、テキストページを作成したりする方法や、「資料箱」の活用方法などにも習熟させることに取り組みました。
 協議会では、2年生の発達段階での難しさについて話し合われました。その後講師の佐久間先生からは、ICT活用の可能性についてと教師が発表の工夫をどのように捉えておくべきかについてご指導いただき、デジタルデータの重さの話を伺いました。


どんな発表形式にするか考える


仲間同士で相談


最初に作った企画書をみて


クイズ形式にしてみようか…

令和元年度 第3回研究授業 5年 理科


5年 理科

令和元年6月19日(水曜日)
 3回目は本校研究主任のK先生が5年生で理科の授業を行いました。単元「メダカのたんじょう」の第1時間目としてメダカの雄雌を知り、体の形状が異なることを理解することを目標に指導をしました。事前のアンケートからは、生活体験としてメダカが身近に見られなくなった子供たちにとって、実際の生息場やえさについての知識には偏りが見られました。
 今回は、一人1台のiPadを使って、メダカの雄雌について調べる活動を行いました。検索キーワードを考える力、得た情報を精査する力などの情報活用能力(スキル)も付けさせたいものでした。その後、実際のメダカを二人に1匹ずつ用意し、観察させました。子供たちも自然と、実際のメダカは動いているため、iPadを使って撮影し、拡大したり一時停止したりして判断しやすくなるように工夫していました。
 自分たちで調べて得た知識を、実際に実物の観察を通して活用し、定着度をみることができました。
 協議会では、活発にタブレット端末活用についての協議がなされました。講師の佐久間先生からは、ICT機器活用についてのお話、学習のベクトルについて貴重なご講演をいただき、さらにメダカの観察の仕方についての注意も教えていただきました。


検索中


調べた事をノートに記録


分かったことをまとめたノートを撮影して提出、皆で確認


最後に実物の観察 iPadを使ってより詳しく

令和元年度 第2回研究授業 6年 国語


6年 国語 

令和元年6月5日(水曜日)
 2回目の研究授業は、6年生国語で行いました。単元「グループで話し合おう」は、自分の意見や理由が伝わるような表現の工夫をしながら話すこと、お互いの意見や理由を関連づけて述べ合い、話し合って一つにまとめることを目標に行われました。
 児童アンケートからは、自分の意見や考えはほとんどの児童がもっているにもかかわらず、発表するのに苦手意識を抱いている児童が多いことが分かりました。しかし、ペアやグループでは比較的活発に発言している様子が見られることから、段階的な活動を設定しました。今回は討論ではなく、協議を行うこととし、教師が意図的にグループわけを行いました。グループ内に異なる意見の児童がいることで、話し合いを活発なものにするのが狙いです。
 ICT機器の活用の工夫としては、ロイロノート・スクールを使用して、理由をカードに整理していくようにさせました。その際、理由カードはテキストでもいいし写真や動画などを使用してもいいこととしました。また、付箋のようにカードを色分けし、意見や理由の分類をしやすくしました。カードを使うことで意見や考えを可視化すること、そして実際にカードを分類することによって思考を整理することができるようになりました。 


自分のiPadでカードを作成


話し合いも盛り上がってきました


一度全体の進行状況を確認


最後はノートにまとめ

令和元年度 第1回研究授業 4年 国語


4年 国語(HT主任教諭)

令和元年5月22日(水曜日)
 今年度、第1回目の研究授業は4年生の国語です。単元「写真をもとに話そう」は、伝えたいことをはっきりさせて、理由や事例などを挙げながら筋道を立てて話すこと、話の中心に気を付けて聞くことを目標として指導しました。
 児童アンケートの結果からは、「人前で発表するのが好き」53%、「自分の思うことを発言できている」59%と、発表に自信のない児童が多いことが分かりました。そこで、スピーチのメモを作り発表する活動を2回繰り返し、自信をもって発表できるようにさせたいと考えました。
 本単元では、はじめ二人で1台、途中から一人1台のタブレット端末を使用させ、発表者は写真の中で一番伝えたい部分を丸で囲み、焦点化させたり、聞き取る際に写真に丸を付けたりする活動を行いました。また、ロイロノート・スクールを使用して、自分の意見を提出させ共有を図りました。
 授業後の研究協議会では、講師の佐久間茂和先生から、ICT活用の有効性について等の講評をいただき、その後「ICTカリキュラム」についてご講演いただきました。その後、協議会に参加してくださった庶務課宮崎主査、渡部先生からお話をいただき、最後にアップル社の担当・小野寺氏から感想をいただきました。


アナログとデジタルの共用


一人1台のiPadを使用して


発表したい人!


協議会

研究だより(令和元年度) 「レッツ ICT!」

1年目の概要

平成31年1月23日(水曜日)  第6回研究授業 1年・生活「もうすぐ2年生」  1年2組 S.A.教諭


S.A.先生

【単元の目標】
・自分自身の成長に関心をもち、これまでの生活や成長を支えてくれた人々へ感謝の気持ちをもつとともに、これからの成長への願いをもって意欲的に生活しようとする。
・学校の施設、学校生活を支えている人々や友達と自分との関わりに気付き、多くの人の支えにより自分が大きくなったこと、自分のよさや可能性に気付く。
【教材について】
5月に行った「学校たんけん」では、学校の施設や通学路などについて考え、学校での生活は様々な人や施設と関わっていることが分かり、楽しく安心して遊びや生活をしたり、安全な登下校をしたりできるようにすることを目指した。本単元ではその活動を踏まえ、今度は自分たちが新1年生に対し、学校や生活を支えている人々を紹介する活動を通して、自分の成長や生活を支えてくれる人々への感謝の気持ち、2年生に向けての思いや願いをもって生活できることを目指している。
【児童の実態】
アンケートの実施(対象1年1組32名、1年2組31名、1年3組32名 実施日12月21日)
・生活科の学習が楽しい、どちらかと言えば楽しい                 96%
・見学に行って新しいことをたくさん見つけることができる、どちらかと言えばできる 95%
・友達と協力して学習することは好きだ、どちらかと言えば好きだ          94%
・なぜ、どうしてと思ったことを自分で調べたりまとめたりすることが苦手だ 20%
・自分の考えや調べたことを発表することが苦手だ             20%

 以上のアンケート結果から、「生活科の学習は楽しい、どちらかと言えば楽しい」と感じている児童が多く、生活科の学習に意欲的に参加する姿も見られている。また、友達と協力したり、見学に行って新しいことを発見したり、友達の発表を聞いたりすることも好きである。その一方で、「なぜ、どうしてと思ったことを自分で調べたりまとめたりすること」や「自分の考えや調べたことを発表すること」を苦手と感じている児童もいる。生活科の学習が楽しいという気持ちを大切にし、さらに「調べたい」「伝えたい」という気持ちも高まるような手立てが必要であると考える。意欲的に自分で調べたり、考えを発表したりするためのツールとして、ICT機器を効果的に活用していく。


写真を選ぶ

【研究主題にせまるための手立て】
(1)教材・教具の工夫
 本単元は、新1年生を迎える準備として、自分たちが生活している学校について調べたり、学校生活を支えてくれる人々にインタビューをしたりし、調べたことをまとめ、発表するものである。5月に行った「学校たんけん」では気付かなかった「よさ」や「不思議」、「疑問」を調べることで、学校の施設、先生や友達などに対し、さらに関心をもって関われるようにする。また、友達と「どのように質問したら良いか」「どのような言葉でまとめると自分よりも小さい子に伝わりやすいのか」などを話し合ったり、教え合ったりすることで、他人への思いやりの心を育てていく。
 また、国語科の「学校のことをつたえあおう」の単元を並行して進め、学校で働く人に自分の知りたいことを尋ねてインタビューし、聞いてきたことをメモにまとめる学習をする。それらの活動を通して、自分たちの生活を支えてくれている人への感謝の気持ちをもったり、自分のできるようになったことを振り返り、成長に気付いたりすると考えられる。
(2)学習活動の工夫
 単元の導入では5月の「学校たんけん」を振り返り、今度は自分たちが新しく入ってくる1年生のために、入学が楽しみになるような学校紹介を作ることを知る。2年生に教えてもらった学校探検の時のわくわくした気持ちを思い出すことによって、入学したばかりの自分たちのことも思い出せるようにする。また、学校の不思議だと思うことやぜひ知ってもらいたいことを調べるだけでなく、学校生活を支えてくれる人々(主に先生や主事さん)にインタビューすることを通して、自分とどのように関わっているかを再度考えるとともに、これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちがもてるようにする。そして、過去の自分と現在の自分とを比較し、自分自身のよさや成長、可能性に気付いていけるようにする。
 学習では2〜4人のグループを作り、一つの場所や人について「不思議に思ったこと」や「知りたいこと」「ぜひ紹介したいこと」を出し合い、インタビューする内容やどのような写真を撮ってくるのか話し合う活動を行う。そして、撮ってきた写真の中から、インタビューしてきた内容に合う写真を考えて選ぶ。発表原稿を一人一枚作る。原稿作成後、グループごとに発表の練習を行い、それぞれ発表をしたり、聞いたりする活動を行い、学校紹介を通して学校に対する愛着や自分の成長への気付き、生活を支えてくれる人々への感謝の気持ちを育てる。
(3)ICT機器活用の工夫
  本単元では、主に児童が学校紹介をする際の補助資料(写真)掲示のツールとして、ICT機器(主にタブレット端末)を使用する。グループの友達と相談をしながら、自分の選んだ場所や人について、伝えたいことが伝わるような写真を撮り、発表で使う写真を選ぶ。「写真を撮る」「選ぶ」活動を通して、児童の話し合い活動の充実を図り、「見せながら発表する」ことで、分かりやすく伝えることができると考えた。


どの順番にする?

【本時の指導(5時間目/全7時間)】
(1)目標
  「学校しょうかい」で使う写真をグループで選び、分かりやすい発表原稿を作成する活動を通して、自分よりも小さい子が理解できるようにするなど他者への思いやりの心を育む。
(2)授業を見る視点
 1教科の観点 : 自分よりも小さい子が理解できるような言葉を使って「学校しょうかい」をすることで、自分の成長に気付いたり、他者への思いやりや優しい気持ちを育んだりする活動になっているか。
 2ICT機器の活用 : グループごとにタブレット端末を一台使い、「学校しょうかい」で使う写真を選ぶ活動を通して、話し合いを活発にすることができたか。
(3) 展開
 めあての確認 「学校紹介で使う写真を選び、発表原稿を書こう」
    ↓
 学校紹介で使う写真を選ぶ
  ・グループごとに撮ってきた写真を選び、ロイロノートで順番を決めてつないだものを、「提出箱」に提出させる
  ・選ぶポイントは「新1年生にわかりやすいこと」「インタビューの内容にあっているもの」
 * ほとんどの児童は、スムーズにタブレットPCを使い、写真を選んで提出することができた。
    ↓
 インタビューメモを見ながら発表原稿を書く
  ・自分の担当の部分について、インタビューメモを見ながら発表の原稿を作成する。
 * はじめ、どうやっていいか分からず進まない児童が大半であった。そこで、ヒントを言ったり、よくできている児童の見本を見せたりした。
    ↓
  ・次時の確認
 * 数名の児童から振り返りを言わせた。「写真を選ぶのは簡単だったけど、原稿を書くのが難しかった」
  


やり方が分からない児童が多い


よくできている児童の見本


協議会

【協議会】
 協議会では、主に、写真の扱い方に関する問題と、発表原稿を作成するときのつまづきの原因について話し合われました。インタビューして、必要な写真を撮って、それを元に原稿を作ると言うのが適切であったかどうかについて議論が闘わされた。
 1年生という発達段階で、かなり細かい準備や指示が必要であること、話形を示した方がよかったかどうか、国語科との関連などについても、活発に意見交換がなされた。
 その後、講師の佐久間茂和先生からご指導をいただいた。生活科の目当てに即して、今回の授業がどうであったかを細かくご指導いただいた。その後で、今回の特別テーマとして、「タブレットPC活用を一つの方向として考えるプログラミング教育」についてご講義いただいた。プログラミング的思考力を養うための教育とはどのようなものか、こども向けのプログラミング学習ソフトの例をお示しいただいた。


よかったところ


質問・疑問


改善点


佐久間先生「授業はロマン」


プログラミング学習の例示

平成30年12月14日(金曜日) 研究全体会 講演「学びを深める授業における効果的なICT機器の活用 (2)」 学芸大学准教授・高橋純先生


学芸大学准教授 高橋先生

 学芸大学准教授の高橋純先生に、今年度2回目の講演をいただきました。
 今回の全体会では、先日12月4日に行われた墨田区ICT化推進事業研修会で報告した、三吾小の今年度の取り組みについて、研究主任のK先生から発表を行いました。
 高橋先生からは、実際に自分たちも体験してみながら、iPadを使って、どんな活用が有効なのか研修を深めました。タブレットを使う事で、タブレットありきの授業を考えてしまいがちですが、実際には教材・資料の提示用など、ごく当たり前の使い方をする中で、「使った方が便利」という感覚を皆が共有することが大切だとお話しいただきました。その上で、活用の工夫が実際に始まると言うことです。
 あわせて、本当に子供たちの頭をフル回転させるための道具に使わなければ意味がない、というご指摘を受けました。子供たちが、授業中に頭をフル回転させて学習をするために、対話があり、様々な学習の工夫があり、その一つとしてICT活用があると考えなければいけない。その意味では、実際に手を使ってノートに書く作業などは、本当に大切だということです。
 新しい学習指導要領で求められている情報活用能力は、知識の理解の質の高さを目指しています。今後、完全に一人1台が実現したときには、今と違った活用が見えてくるだろうとのことで、渋谷区の事例などもご紹介いただきました。


研究主任の発表


図やグラフの読み取り方実習

平成30年12月5日(水曜日)  第5回研究授業 5年・社会「世界とつながる日本工業」  5年1組 S.M.主任教諭


5年1組 S.M.先生

 今年5回目の研究授業は、5年生の社会「工業生産を支える人々」で行いました。社会の学力向上と、ICT機器の効果的な活用の二つの観点から、今回は主に「資料の読み取り」について、主体的・対話的で深い学びを目指しました。
1 単元名  「工業生産を支える人々」
2 小単元名 「世界とつながる日本の工業」
3 小単元の目標
 工業生産を支える貿易や海外生産のはたらきと、それらを通じた世界各国との結びつきについて調べ、その特色や課題を捉えることから、今後の貿易・海外生産の進め方について、考えをもつ。
4 教材について
 本単元は、現行学習指導要領社会科の内容(3)ウを受けて設定したもので、大単元「工業生産を支える人々」は、「自動車づくりにはげむ人々」、「世界とつながる日本の工業」、「工業の今と未来」の三つの小単元から構成されています。
 第1小単元、「自動車づくりにはげむ人々」では、工業生産の様子や働く人々の工夫や努力、部品工場との関連、輸送の役割等について捉えさせました。今年度は、11月15日に社会科見学で『日産自動車追浜工場』に訪れて学習しました。本時で行う第2小単元「世界とつながる日本の工業」では、自動車の輸出という、第1章単元の学習内容からつながる事例を最初に取り上げ、そこから工業生産における貿易や海外生産のはたらきに気づかせると共に、工業生産が抱える課題を捉えさせるという展開になっています。社会科見学での学びの振り返りを活かしながら、海外との繋がりに視点を広げ、主に個人学習でグラフや地図などの資料から事実的な知識を読み取らせることを試みました。読み取ったことを共有し、事実的な知識を押さえた上で、発展的な話し合うテーマを設定し、概念的な知識に向上させることをめざしました。

5 児童の実態  アンケート実施(対象5年1組40名 実施日5月)
 事前に行ったアンケートの結果からは、「友達と協力して学習することは好きだ」、「友達の発表を見たり聞いたりすることは好きだ」、「本やインターネットを使って調べる学習は好きだ」という質問に対して8割以上が肯定的に答えている一方で、「自分の考えをノートなどにまとめることは好きだ」、「自分の考えをノートなどにまとめることは得意だ」、「自分の考えや調べたことを発表することは好きだ」、「自分の考えや調べたことを発表することは得意だ」という質問に対しては、4割程度が否定的に答えていました。見たり聞いたりすることや、調べることは好きだけれど、まとめたり、発表したりすることに対しては、自信がもてないのではないかと考えられます。改めて、まとめ方や発表の仕方の見本となるものを示したり、よいものを価値付けしたりすることで、指針をもたせることが大切であると考えました。
 ICT機器関しては、第3学年の単元「わたしたちのくらしと商店の仕事」の学習において、タブレットを使用して学習に調べ学習に取り組んでおり、静止画と動画の撮影は経験しています。「ロイロノート」で、プレゼンテーションを作成する際にも活用もしているため、ICT機器の使用には、慣れている児童が多いと言えます。本単元では、特別な機器という感覚では無く、教科書や資料集、ノートと同じ感覚で使用させていきたいと考えました。
6 研究主題に迫るための手立て
(1)教材の工夫
 1.グラフや写真から事実を読み取り、自分なりに社会的な意味付けをする過程を重視しました。そのために、学習問題の答えと言える内容が文章化されている教科書は開かせずに、学習問題の解決に取り組ませました。
 2.貿易や海外生産を取り巻く現状は変化が激しいものなので、教科書や資料集をベースにしつつ、最新の情報を教材として適宜加えました。
(2)学習活動の工夫
 1.学習問題を設定した後、まず、個人でグラフや地図などの資料を読み取らせました。そして、読み取ったことを共有しながら、事実的な知識を押さえると共に、概念的な知識に向上させました。さらに、事実的な知識、概念的な知識をもとにして思考・判断するような話し合いテーマを設定し、深い学びに繋げることを目指しました。
 2.学習で学んだことや考えたことを改めて自分自身で見つめるために、1時間の学習の最後には、「振り返り」をノートに書く活動を設定しました。毎時間行うことで、学習の積み重ねや、自分自身の考えの変容を見ることもできると考えました。
(3)ICT機器活用の工夫
 1.『ロイロノートスクール』の「資料箱」に、教科書のグラフや地図などの資料を保存しておき、いつでも見られるようにしておきました。印刷をしなくても、一人一人が、選択した資料を、手元で、カラーで見ることができます。
 2.『Google Earth』を使用して、貿易国との位置関係を調べさせました。『Google Earth』を使用することで、関心を高められるとともに、日本と海外の国々が飛行機や船で繋がるイメージが地図帳よりもつことができました。
 3.話し合う活動では、「事実」や「自分の考えの根拠」を示す際に、タブレット内のグラフや地図などの資料を示しながら伝えるようにさせました。ニュース番組で解説者が示すフリップのような活用ができるようになってもらいたい。そのために、ニュース番組や国会討論でフリップを出して説明している動画を事前に見せてイメージをもたせるとともに、よさを価値付けしました。また、児童が示した資料は、学級全員が手元のタブレットで見たり、スクリーンに映したりすることもできるため、活用の幅は広がると考えられます。


個での資料の読み取り


一人1台のi-Padを使用して

 まずはじめは、個による「資料の読み取り」の時間です。一人1台配布されたi-Padの「ロイロノート・スクール」を使用して、あらかじめ「資料箱」に今回の学習に使用する19部の資料を保存しておきました。児童はその中から自分の興味のあるものなどを探して、読んでいき、ノートにわかったことをまとめていきます。
 S教諭は巡回指導をしていて、資料の読み取り方について不確かな点が認められたところで、すぐに一端作業を止めさせて、スクリーンに映し出した資料をみんなで見ながら、「見方」「読み取り方」についての指導を行いました。


みんな真剣に取り組んでいます


読み取った事実をノートにまとめます

 次に、個で読み取ったことをもとに、三人グループで交流を行いました。交流する際には、自分が調べた資料を相手に示しながら、根拠を明らかにして発表をさせました。途中で、うまくやっているグループを褒め、やり方についてのアドバイスも加えました。


上手に交流しているグループ


個の学びを交流で深めていきます

 三人グループの交流に続いて、交流で深まった自分の知識や考えを全体の場で発表し、みんなで確認することにしました。児童は、一人の発表に続けて、自主的に自分の学んだことを発表していきます。指導者は板書しながら意見を可視化していきます。
 最後に、ふりかえりをしっかり行いました。児童は今日の学習でわかったことや考えたことを自分のノートにそれぞれしっかりと書き込んでいきました。
 次回の予告の後、子供たちはそれぞれのi-Padで「今日の一言」を投稿しました。


これまでに培った書く力を生かし


丁寧にノートに自分の言葉でまとめます


最後は「今日の一言」


タブレットを使って、キーボード入力も行います


佐久間茂和先生

 協議会では、社会の指導の観点から大変熱心な協議が行われました。もう、タブレットPCはすっかり道具の一つになっていて、あえてタブレットの使い方そのものには意見が出ません。有って当たり前、使って当たり前に、教員も児童もなりつつあります。
 講師の佐久間先生からは、今回の授業のポイントと、コミュニケーションツールとしてのタブレットPCのありかた、タブレットを使った情報活用能力をつけるための計画の立て方について詳しくご講義をいただきました。
 すみだ教育研究所の金谷政一前校長先生からは、社会科の指導について、詳しく教えていただきました。資料の提示の仕方、資料の量、そして最終的に付けさせたい社会科の力とは何か、交流のヒントなどをご紹介いただきました。


金谷前校長先生


熱心な協議会

平成30年11月21日(水曜日) 第4回研究授業 6年・理科「月と太陽」  6年1組 O.T. 主任教諭


O.T.先生

4回目の研究授業は6年生の理科、単元名「月と太陽」(教育出版)で行いました。
【単元の目標】
 月と太陽の関係を推論しながら調べ、見いだした問題を計画的に追求する活動を通して、月の位置や特徴についての見方や考え方を養う。
【教材について】
 天体について興味・関心をもって追求する活動を通して、月の位置や形、太陽の位置との関係を推論する能力を育てるとともに、それらについての理解を図り、月や太陽に対する豊かな心情を育て、月の形の見え方や表面の様子について見方や考え方をもつことができるようにすることがねらいです。
【研究主題に迫るための手立て】
 目指す児童像:「自ら課題を追求し、様々な視点から考え、伝えることができる児童」
(1)学習活動の工夫
  1)自ら課題を追求するための事象提示の工夫
  普段何気なく見ている昼間の月を、形や太陽との位置関係に着目して、数日間連続して観察させました。これによって、本単元にそった疑問が生まれ、月や太陽への興味関心を高めました。連続して観察させることにより、月の形や位置についての気付きにもつながり、主体的な問題解決につながると考えました。
  2)様々な視点から考え、伝えるための言語活動の工夫
 話し合い形態を工夫して、自分で考えた後、「二人組」→「少グループ」→「全体」と結果を合わせることで、妥当性を見いだし、科学的な結論へと導くようにしました。


二人組で調べ学習開始

  3)結果のまとめ方の工夫
  それぞれが調べた結果をグループで話し合わせることで、様々な視点があること、情報を精査する重要性に気付かせ、他のグループのまとめとの比較から、共通点や相違点をみつけ、本時の課題に対する妥当性のある結論へと導かせました。
(3)ICT機器活用の工夫
 児童が主体的に調べ学習を行えるよう、i-Padを16台(二人に1台)用意しました。操作技能の差のある児童たちが、二人組で活動することにより、補い合えるというメリットを考えました。また、二人組で話し合いながら学習する子御tで調べた事の妥当性や思考が深まるようにしました。また、児童が危険なサイトへ入り込むことのないように、合わせて、情報が過多になりすぎないように、「ロイロノート・スクール」を使用して、検索できるサイトを絞り込んでおきました。また、他の学習とも平行して、今後も児童がICT機器を有効に活用していくために、タイピングの練習にも取り組んでいる。


「予想」を立てる


タブレットPCを使って二人組で調べ学習 


本を使って調べるペアも


少人数グループで話し合い、まとめる


全体で共通点や相違点を探る(考察)


太陽の表面温度は約6000度


考察とまとめ


結果の発表


研究協議会

 授業後は研究協議会が行われました。講師には、台東区立教育支援館学校教育情報室長の佐久間茂和先生、そして教育委員会庶務課の皆さんにお出でいただきました。
 はじめに授業者の自評と分科会提案がありました。授業者からは、授業時間がオーバーしてしまったこと(もともと2時間扱いのものだった)、問題のことばが適切であったか、検索のためのキーワードの探し方も研究の必要があるなどの提案がありました。その後、あらかじめ3色の付箋で振り分けられた意見をもとに、活発な討議が行われました。主な協議事項は以下の通りです。
 ・話し合いの形態の工夫はどうだったか?
  → 「個→二人組→少人数グループ→全体」  子供たちは大変熱心に話し合い、思考を深めていった
 ・ICT機器の活用について
  1)二人に1台のタブレットPCは?  → 一人1台もあったかと思うが、今回は話し合いながら進めることもあり、良かった
  2)ロイロノート・スクールの使用は? → 必要なものを用意しておけるので良かった。
  3)NHK for School に限定したこと  → 動画を見ることはわかりやすかった。情報の正しさや、量からも、限定したのは良かった。
 ・その他 「考察」と「結論」の違いについて


協議用意見 よいところ


協議用意見 改善点


協議用意見  疑問・質問


講師の佐久間茂和先生

 最後に、ご自身も天文学が専門だとおっしゃる佐久間先生から本日の授業についての講評と、ウエブコンテンツについてのご講義をいただきました。
 ・インターネットは「不要品・ゴミの山。その中に宝物が隠されている」
 ・検索エンジンは進化している
 ・便利なウエブコンテンツの紹介
また、ウエブコンテンツを生かすための情報モラルについて考えました。「ネット社会の歩き方」というポータルサイトをご紹介いただきました。

 終わりに、天文学の豆知識を紹介いただき、本日も大変有意義な協議会とすることができました。

平成30年10月24日  第3回研究授業 3年・社会「働く人とわたしたちのくらし」  3年3組 N.R.教諭


N教諭

小単元 「店で働く人と仕事」(全17時間)
【小単元の目標】
・ 買い物調べやスーパーマーケットなどの販売店見学を通して、販売の仕事の様子、商品を通じた他地域とのつながりについて調べ、販売に携わる人々の工夫について考える。
・ 客の買い物の工夫と店の販売の工夫とのかかわりについて考え、販売の仕事が自分たちの生活を支えていることを理解する。

【教材について】
本単元は、現行学習指導要領の内容(2)ア・イを受けて構成した。本校の地域では、中規模スーパーマーケットを主とする買い物の様子が見られる。また、用途に応じてコンビニエンスストアを利用する家庭も多くある様子である。本単元では、その2種類の店の消費者の願いに対する店の工夫を視点に学習を行う。
第一次では、自分の生活とスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店との関わりがあることに気付けるように、家庭の買い物調べから学習への意欲を高めていく。
第二次では、実際にスーパーマーケットやコンビニエンスストアを調べることを通して、消費者がどのような願いをもって買い物をし、それに対して販売店はどのような工夫をしているのかを調べる。計画・見学・発表を通して、消費者と販売店の関係を考えられるようにする。
第三次では、今まで見えていなかった消費者の願いと販売店の工夫を理解できるようにする。売り上げを高めるための販売店の工夫は、消費者の願いを受け、商品の品質や価格などを考えていることを理解できるようにする。
これらの学習を通して、地域には生産や販売に関する仕事があり、それらは自分たちの生活を支えていることを理解できるようにする。

【児童の実態】
・アンケート実施(対象 第3学年84名 実施日7月13日)
質問1「社会科の学習は楽しい」の問いに、93%の児童が肯定的な回答をしている。社会科を初めて学習する学年であるが、楽しく感じている児童が多い。しかし、質問3「自分の地域、都市、国、世界、歴史、政治などについて、なぜ、どうしてと思うことがある」の問いに、36%の児童が否定的な回答をしている。住んでいる地域への知識の補充を必要と感じておらず、現在の生活経験や知識に充足意識があることが考えられる。
質問5「なぜ、どうしてと思ったことを自分で調べることが得意だ」、質問6「見学に行って調べることは好きだ」、質問13「友達と協力して学習することは好きだ」、質問14「自分の考えや調べたことを発表することは好きだ」から、見学に行って調べることは好きだが、写真やグラフから読み取ったり、調べたことをまとめたり、発表したりすることは好きではない、又は得意ではない児童が比較的多いことが分かる。
質問10「グラフや写真から分かったことをまとめることは得意だ」、質問16「友達の発表を見たり聞いたりすることは好きだ」から、分かったことを自分なりにまとめたり、友達と協力したりすることが好きであったり、友達の発表を見たり、聞いたりすることが好きな児童が多い。
以上のことから、学習問題を明確にすることで、身近な地域に関心をもたせ、友達と協力しながら学習を進め、学習したことのまとめ方や発表の仕方の指導を工夫し、よりよい発表会を行うことが必要と考える。


ペアでタブレットPCを活用

【研究主題に迫るための手立て】

(1) 教材・教具の工夫

児童の身近な地域への興味や関心を高めるために、買い物調べワークシートを活用する。自分の家で食べているものはどこで購入した物なのか、またどこで多く買っているのかなどを調べることで地域の生産と販売に目を向けさせていく。

実際に目で見たり、工夫に気付いたりするために、スーパーマーケット・コンビニエンスストアを見学する。地域の代表的な販売店を見学することで、身近な地域ではどんな工夫をしている店があり、スーパーマーケットとコンビニエンスストアではどんな違いがあるのかを実際に見られるようにする。

(2)学習活動の工夫

児童同士の交流の場を多くし、考えをより深めるために、ペア・グループ・全体での話し合いをする。ペア・グループ・全体と学習に合わせて変化させていくことで、個では考えられない意見や新たな気付き、思考の整理、新たな課題の発見などができると考える。

スーパーマーケットとコンビニエンスストアの工夫の違いへの関心を高め、理解を深めるために、2種類の販売店の内どちらかを見学するようにする。また、同じ販売店でも工夫に特徴があることに気付くために、それぞれの販売店の見学先を2つ設定する。それぞれが見学して発見した販売店の工夫を持ち寄り、スーパーマーケットとコンビニエンスストアでの工夫にそれぞれの特徴が表れていることに気付けるようにする。

(3)ICT機器活用の工夫

iPadをペアで1台使用し、“消費者の願いに対する店側の工夫”を写真で残す。iPadをペアに1台用意することで、目的に合わせた写真を選択すること、iPadの使用方法を確認しながら活動できること、児童の考えを写真として残すことができると考えられる。

撮った写真をプレゼン資料として活用する。ロイロノートを使用し、写真にタイトルを付けて説明が行えるようにする。具体的な写真を見せながら説明をすることで、児童の思考の整理や話の結び付きなどが考えやすくなる。作成場面では、プレゼンの方法としてロイロノートや写真を有効に活用している児童を紹介し、プレゼン資料の充実とデータ活用のよさに気付けるようにしていく。データとして残すことで、その後のグループ学習でも意見の根拠として話し合い活動に活用できる。


ロイロノートを使って発表準備


ロイロノートの活用

 授業は、「スーパーマーケットとコンビニエンスストアの工夫を発表する準備をしよう」というめあてのもと、次時の発表に向けて、児童がペアで発表準備を行うシーンであった。これまでに、実際に自分たちで調べてきたお店の工夫を、自分たちがタブレットPCで撮影してきた写真を使って、プレゼンテーションアプリの「ロイロノート・スクール」でまとめていく。ペアで話し合いながら、タブレットやワークシートを使い、お店の工夫を伝えるために、よりわかりやすく伝えるための発表の工夫を考えた。時折、西方教諭が、児童のタブレットPCにあるグループの作品を同時配信し、グループの工夫の良いところについて気付かせる時間をとった。
 子供たちは、写真の説明をコメントに書きがちであったが、その都度西方教諭から「何をしているところか、ではなく、お店の工夫を自分たちの言葉で書くんだよ。」「写したときに、見やすい色や大きさで書いてね。」と指導していった。社会科の学習としてのめあてを見失うことなく、それにICTのよりよい活用方法という視点も取り入れた学習になっている。
 本時で、発表の準備を終了する計画であったが、半数以上のグループがめあてに沿った準備までたどり着かなかったため、次回もう一回時間をとることにした。そして、最後に西方教諭は「この写真を、なぜ使ったのか、自分たちでちゃんと説明できるようにならないとだめなんだよ!」と、学習の狙いを再確認して授業は終了した。


研究協議会

 協議会では、中学年部会からの提案、授業者の自評に続いて、3色の付箋を使ってKJ法でまとめた意見を元に討議が進められた。さまざまな視点から寄せられた質問や意見の中には、この研究を進める上でとても重要なものがおおくあった。


よかったところ


改善点


疑問、質問


付箋は一人一人のiPadで撮影してもつ


佐久間茂和先生

 講師の佐久間茂和先生からは、本授業の良かったところ、改善点についてご指導いただき、その後、今回使用した「ロイロノート」も含めた「プレゼンテーションソフト」の活用について講義を受けました。「プレゼンテーションソフトは、問題解決のツールである」との意識を持った活用が重要です。そして、学年や発達段階に応じたレベルはどう考えれば良いかのヒントをいただきました。また、前回の動画の使い方に続き、今回は静止画のもつ可能性についてのお話しをいただきました。子供たちに撮影させる前に何のために、どんな写真をとるのか指導しておくことが重要です。


金谷政一先生

 本日のもう一人の講師は、前校長の金谷政一先生です。金谷先生からは、新学習指導要領に合わせた、社会科の「社会的な見方・考え方」を働かせた学びについてご講義をいただきました。今日の実際の授業を題材に、社会の授業で身に付けさせたい「知識」について、具体的な知識から概念的な知識へ昇華させるために、「社会的な見方・考え方」を使って、深い学びをさせることが重要であるということを教えていただきました。
 最後に、参加していただいた墨田区教育委員会の田畑指導主事と宮崎主査からも、貴重なアドバイスをいただきました。
 これまで、タブレットの使い方が中心になりがちだった研究授業から、一歩前進した研究授業となりました。

平成30年8月23日(木曜日) 研究全体会 夏季特別研修会 講演「学びを深める授業における効果的なICT機器の活用」 学芸大学准教授・高橋純先生

 今日は東京学芸大学准教授の高橋純先生にお越しいただき、研究全体会の特別研修会を開催しました。高橋先生からは、大きく二つ、三吾小の研究におけるICT機器活用のヒントや他校での実践紹介と新学習指導要領で目指している「主体的・対話的で深い学び」や「身に付けさせたい資質・能力の三つの柱」とICT機器活用の関連について、大変貴重なご講演をいただきました。
 ICT機器活用による学力向上についての高橋先生の見解は、私たちの固定観念を取り払うものでした。大切なのは、学習者の「頭の回転」という視点で、「学習効果を高めるためには学習者の頭脳の回転数をどれだけ上げることができるかを考えなければならない。ICT機器の操作に苦労して頭が回転しているような使い方をしているうちは、学習の成果は上がらない。」と言うことで、これまでいろいろな学校で行われてきたICT機器活用の例を紹介し、説明してくださいました。


研修会の模様

以下、高橋先生からのヒントです。

 ・やってみて、ダメならやめる。最後まで残ったものがいい使い方、というくらいの考え方がいい。
 ・児童が授業で使った回数がとても大事。記録しておいて、やはり「なかったら困る」という報告ができればいい。
 ・資料を写し出す際、黒板に投影したりするより、手元にあった方が圧倒的に便利。
  授業のやり方は大きく変えず、教科書の代わりにタブレットを使用し、意図的に情報を削減するといい。
 ・共有フォルダに「○年○組○月○日○時間目」というフォルダを作り、授業で使用する資料を保存。
  児童が自分で勝手にアクセスできるようにしておくといい。(そこまで訓練しておく必要がある)
 ・見ながら、書く活動を入れるといい。書くことで、頭の回転数が上がる。頭の回転数が維持できているかを大事にする。
 ・情報量を絞る、ことを意識した方がいい。(どうしても付け加え、増えていく傾向にある。)情報は多いほど複雑で分かりにくくなる。
 ・ジグソーパズル式の授業もあるが、複雑すぎる。操作手順に頭を使わないようにした方がいい。
 ・理科、体育の活用 撮影した動画を見せて、自分で気付き改善するようなことを期待するが、高度すぎる。大人にもできない。
 ・カメラの活用が多いのは、それしかできないから。 
 ・本当に使わせるには、一人完全一台、いつでも活用できるようにさせておく。 その意味で、本校のタブレットの配布も考えた方がいい。
 ・子どもしか使わないソフト、学校でしか使わないソフトでは意味がないだろう。社会に出て役に立つものを使わせたい。
 ・渋谷区 完全1台 持ち帰り → 使用への慣れ、使い方の多様化 タブレットがあることが当たり前になる。
 ・子ども思ったほど子どもは使えない。


高橋先生

以下は、 「教材・資料の提示やビューアーとして」の活用から「問題発見・解決的な活動」への高橋先生の提言です。

・主体的・対話的で深い学び(=手段)、ICTの活用(=手段) だが、目的は「身に付けさせたい資質・能力の三つの柱」を身に付けさせること。それも、質の高いものを目指している(「生きて働く」知識・技能、「どのような状況でも対応できる」思考力・判断力・表現力、「人生に生かそうとする」学びに向かう力、人間性)
・「主体的」とは、まず思考の「型」を身に付けて、だんだんと「型破り」になっていくこと
・三つの柱は、修得するのにかかる時間の順に並んでいる。
・「じっくり考える」とはどのような手順で考えることなのか?
 それは、「課題の設定」→「情報収集」→「整理・分析」→「まとめ・表現」 このパターンを知っているから思考できる。
 ICTをそこに利用、活用することができるだろう。 
・研究発表には児童にプレゼンをさせるといい。質の高い内容を、上手なプレゼンで示すことができるとよい。
・子どもの発言を集めて(情報収集は子ども)、先生が板書する(整理・分析は教員)、まとめは子どもが発表する、という授業はこれからは評価されない(だろう)。学習過程から考えると、「整理・分析」が非常に重要。そこを子供たちにやらせる必要がある。
・「見方・考え方」 とは、判断(整理・分析)するためのツール、パターンである。 
 たくさんの知識をもっているが、応用が効かないといわれたことが、その「応用」の部分が「見方・考え方」で変わる
 子供たちは、次第に「考え方を考えてから考え始める」ようになる。
・「見方・考え方」の視点は、他の領域や教科になっても使えるもの。
・子供たちに身に付けさせたい「見方・考え方」 そのうち一番便利なのが「比較する」というもの
・「比べる」というのは違いを見つけるだけでなく、共通点も見つけることも大切な見方考え方

平成30年7月18日  第2回研究授業 4年・理科「もののあたたまり方を調べよう」  4年2組 M.R.教諭


M教諭

【単元の目標】
 金属、水および空気をあたためて、それらのあたたまり方を物の性質と関係付けながら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追求する活動を通して、金属、水および空気の性質についての見方や考え方を養う。

【教材について】
 本単元は、新学習指導要領理科の内容(2)ア ィ 「金属は熱せられた部分から順に温まるが、水や空気は熱せられた部分が移動して全体が集まること。」を受けて設定しました。
 ここでは、金属、水及び空気を熱した時の熱の伝わり方に着目して、それらと温度の変化とを関連付けて、金属、水及び空気の温まり方を調べます。これらの活動を通して、金属、水及び空気の性質について既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想し、表現するとともに、金属は熱せられた部分から順に温まっていくこと、水や空気は熱を加えられた部分が上方に移動して全体が温まっていくことを捉えられるようにします。また、物によってその温まり方には違いがあることを捉えられるようにしました。

【児童の実態】
・アンケート実施(対象4年1組38名 4年2組35名 実施日6月25日)
〇質問1「理科の学習は楽しい」の問いに、肯定的な回答をした児童は86%
〇質問8「実験・観察をするのは好きだ」の問いに、肯定的な回答をした児童は93%
〇質問12「自分の考えや調べたことを発表することは好きだ」の問いに、肯定的な回答をした児童は49%
〇質問13「発表することは得意だ」の問いに、肯定的な回答をした児童は52%
 以上のアンケート結果から、理科の授業は好きだが、発表することに関しては苦手と感じている児童が多いことが分かりました。そこで、本単元ではタブレット端末を介して実験結果を共有し、考えを交流して結論を導き出すことを通して、わかったこと・考えたことを発表することへの意欲を高めたいと考えました。
 児童は生活経験上、金属はすぐにあたたまるが、水はあたたまるのに時間がかかるといったことは、感覚的にとらえているものです。しかし、電子レンジやIHクッキングヒーターなどの普及に直接火を使うことなく物をあたためる場面も増えているため、火を使って物をあたためたという経験をもつ子供は以前より少なくなっているでしょう。実験・観察を通して、物質ごとのあたたまり方の違いをしっかりと捉えさせたいと考えました。

タブレットを使って

【研究主題に迫るための手立て】
(1)教材・教具の工夫
   本単元は、金属,水および空気をあたためて、それらのあたたまり方を物の性質とを関連付けながら調べ、見いだした問題を興味・関心をもって追求する活動を通して、金属,水および空気の性質についての見方や考え方を養うことを目標としています。そこで、実験の結果を記録するために、タブレット端末を使用させることにしました。また、全体交流の際に、ホワイトボードを使用することで、全グループの考えを黒板に提示することができ、自分たちのグループの考え方と他のグループの考えを比較しながら検討することができるので、より妥当な結論を見出すことができると考えました。
(2)学習活動の工夫
  本単元は、問題解決型の流れで、金属,水および空気をあたためた時の熱の伝わり方について学習する単元です。実験結果の考察を行う際には、まず個人で実験の結果について考察を行い、その後、グループで交流をしながら一つの考察を導き出すことにしました。また、単元を通して、熱の伝わり方を矢印を使った図で表現し可視化することにより、空気,水および空気のあたたまり方の違いが捉えやすくなると考えました。
(3)ICT機器活用の工夫
  本単元では、主に児童が自分たちの実験の振り返りを行うツールとしてタブレット端末を使用することとしました。実験の様子を動画に残し、グループで考察を行う際に動画を何度も再生したり、一時停止したりすることで、実験結果を正しく捉えることができ、児童の交流がより活発に行われるのではないかと考えました。

考察

交流

考察 交流

 タブレットであらかじめ撮影してあった動画を何度も再生しながら、児童はまず個人で「水の下の方を熱しているのに、上の方からあたたまるのはどうしてだろうか?」という問題に取り組みました。一人一人がノートにビーカーの絵を描いて、赤い矢印で暖められた水がどのように動いているかを書き加えました。
 その後、各グループにホワイトボードが配布され、グループでの討議の結果を書き込んで説明を付け加えることにしました。この交流の学習活動が、指導者の計画していた以上に時間がかかっていました。

ホワイトボードにグループの意見をまとめる

 子供たちは、自分の意見を言い、話し合いを続けホワイトボードを完成させていきました。なかなか意見がまとまらず、何度も書き直しているグループや、もう一度動画を確認しようとタブレットを操作して、見直しながら意見を出し合っているグループと、いろいろありました。そして、最終的にできあがったものを掲示し、みんなで共通点や相違点について考えました。
 黒板に張り出されたホワイトボードを見て、共通点を探した後、もう一度映像で確認してみようと言うことで、いくつかのグループの動画をスクリーンに映し出してみました。みんな、真剣に観察しています。こうして、何度も繰り返し見たり、途中で止めて話し合いをしたりすることができるのが動画のいいところです。実験だけでは、こうはいきません。

映像で確認

確認

協議会

 授業後の協議会では、教科の観点とICT活用の観点から、様々な検討がなされました。三つの分科会に分かれて、成果と課題、そして改善案などが積極的に話し合われました。話題の中で、「動画の撮影のしかた」についての議論が白熱しました。定点撮影がいいのか、いろいろな角度から撮った方がいいのか、それぞれにどんな意味と利点があるのかを考えました。この話し合いは、その後の講師の佐久間先生からの「動画の活用の仕方」で詳しく話されることになりました。
 台東区立教育支援館教育情報室の佐久間茂和先生からは、授業についての指導・講評と、児童が一人1台のタブレットを持つと言うことの意味と心構えについて、そして「動画」の活用方法についてご指導いただきました。動画は、撮りっぱなしでは教材にはできないこと、編集が命であると言うこと、編集する時間がとれない場合は、撮影する段階で計画が必要なことなど詳しくご指導いただきました。

協議会2

佐久間先生からの講評

平成30年6月27日 第1回研究授業  2年・生活科 「つくって遊ぼう」  2年2組 M.M.教諭

2年 生活科研究授業1

【目指す児童像】
 目指す児童像を「身近にいる人や社会・自然に興味をもち、自分の考えたことを表現したり伝え合ったりする児童」として、2年生生活科・単元「つくって遊ぼう」で今年度第1回目の研究授業を行いました。
 本単元は、身近にあるものを使って、遊びに使うものを工夫して作ったり、遊び自体を工夫したりするものです。普段は捨ててしまうような身近なものに注目させ、それを使って楽しく遊べるおもちゃは作れないかと児童に進んで調べたり、考えたりさせ、その後、おもちゃの作り方を友達に紹介する活動を考えました。動くおもちゃの面白さに気づき、遊びを工夫してみんなで遊んだり、自分たちの創意を生かして自分でおもちゃを作りあげる満足感を味わわせ、さらに自分の生活を豊かにしていこうという実践的な態度を育てたいと考えました。
 

6月27日 第一回研究授業

【学習活動の工夫】
  第1時で、全員でパッチンがえるを作り、動くおもちゃを作って遊ぶことによって、身近なものを使って作る動くおもちゃに対する興味を高めるようにしました。その後、自分で作ってみたいおもちゃを何日間か期間をおき、じっくり調べたり考えたりできるようにしました。そして、作ってみたいおもちゃを持ち寄り、グループごと一つのおもちゃの作り方・遊び方を友達に伝えることを目標に「おもちゃ紹介」の計画を立てさせました。計画書を書き、おもちゃ作りの手順をタブレットのカメラで撮り、写真をつなげてプレゼンテーションを作成し、「聞く人によりわかりやすく伝えるにはどうすればよいか」を考えさせました。

2年2組担任 M先生

プレゼンテーションを発表し合う際は、教室内に五つコーナーを作り、それぞれ発表するようにし、発表を聞いたあとは実際におもちゃを作ったり遊んだりする時間を設け、発表をしたり聞いたりすることがまた次のおもちゃ作りに対する意欲に繋がるようにしました。友達からのおもちゃ紹介で知ったおもちゃに対し、「もっとこうしたいな」「こんな工夫をしてみたいな」ともっと良くするにはどうすればよいか調べようとする気持ちを高めさせました。最終的には学年で発表し合い、学年全員でおもちゃ作り、遊ぶことを楽しめるようにします。

【ICT機器活用の工夫】
 本単元では、主に児童が友達におもちゃの作り方と遊び方を紹介するツールとしてICT機器(タブレット)を使用させました。おもちゃを作る過程を写真に撮り、それをつなげて見せて友達に紹介することによって、おもちゃの作り方をわかりやすく人に伝えることができるようにしました。写真を撮り、必要な写真を取捨選択し、よりわかりやすく説明することができる力をつけていきたいと考えました。そのため、発表で使用する写真は5枚までとし、発表する際は、五つ設けたコーナーにそれぞれタブレットを設置し、コーナーに分かれて発表したり聞いたりするようにさせます。手作りおもちゃを紹介したりされたりする中で、「もっとこんなおもちゃを作りたい」「このおもちゃをこうしたい」と調べようとする力を高めていきたいと思います。

授業の様子1
2〜3人のグループで1台のiPadを使用

授業の様子2
児童が困ったときに助け船を出す

協議会

【研究協議会】
 授業後に研究協議会を行いました。今年度初めての授業ということで、熱心な協議が行われました。主なテーマは、「タブレットを活用するグループの人数」「教科の目標を達成するための手段として、タブレットの活用は有効であったか」「単元全体の中で技能の習得の時間をどう確保するか」などでした。
 児童は、「ロイロノート」というプレゼンテーションソフトを使用して、自分たちの発表準備をしていました。まだ数回した使ったことがないのに、どんどんうまくなっていき、写真も計画書に基づき、上手に撮影していました。また、文字の入力も少し指導しただけで、色や大きさまでうまく調整していました。
 この研究で専属講師をお願いしている台東区教育支援館研修専門員・佐久間茂和先生から、生活科の指導を踏まえた、タブレットPCの効果的な指導方法について貴重なご指導をいただきました。併せて、墨田区の教育委員会からも、指導主事の先生方や情報担当の事務主事の方からも講評とアドバイスをいただきました。

佐久間茂和先生
講師の佐久間茂和先生の指導講評

教育委員会の皆様
教育委員会からのアドバイス

研究便り 『レッツ ICT!』

PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Reader DC(旧Adobe Reader)が必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Get Adobe Acrobat Reader DCAdobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ

このページのトップに戻る本文ここまで

以下フッターです。

第三吾嬬小学校

住所:〒131-0041 八広二丁目36番3号
電話:03-3617-7513
交通アクセス
Copyright(C) Daisanazuma Elementary School. All rights reserved.
フッターここまでこのページのトップに戻る